研究課題/領域番号 |
18390461
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
久 育男 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (50181087)
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研究分担者 |
馬場 均 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30360035)
島田 剛敏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (30275226)
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キーワード | 喉頭 / 神経調節 / 運動神経細胞異所性局在 / 神経栄養因子 |
研究概要 |
(1)延髄における疑核異所性局在の解明 SRKラットのヘテロ親を交配し出生させ、生後17〜21日齢の離乳期直前のSRKラットを使用した。この時に表現型としてSRKとヘテロ、ワイルドタイプ分けるのは困難なため、マウス・リーリンの遺伝子配列をもとに、プライマーを作成し、PCR法にてSRKラットのgenotypingを行い分離した。内喉頭筋である輪状甲状筋、甲状披裂筋、後輪状披裂筋、頚部食道、また腹部食道にそれぞれHRPを注入し、2日間の生存期間の延髄を含む全脳を摘出し、延髄の凍結連続切片を作成し組織化学的手法を用いて、疑核へ投射する運動神経細胞を同定した。標識細胞は、第4脳室から延髄の腹外側部に散在して分布するのが観察された。この結果は、延髄疑核の運動神経細胞が、発生部位から疑核へ移動するにあたって、リーリン蛋白による誘導が不可欠であることを意味すると考えられた。 (2)喉頭神経系における神経栄養因子の関与の解明 神経栄養因子であるFGF1の喉頭神経系における局在、密度を免疫組織学的に検討した。迷走神経背側核細胞において、FGF1とcholine acetyltransferaseとの共存率を調べた結果、8%に共存を認めるのみであった。一方、唾液核では13%、仙骨副交感神経節では18%の共存を認めた。このように、迷走神経背側核細胞で共存率の低いことは、これらの細胞の易傷症性の一つの原因であると考えられた。
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