研究課題
・ウサギ耳介軟骨より軟骨細胞を分離培養する為に、37℃0.3%collagenase type II溶液と37℃0.15%collagenaseによる6時間処理を細胞増殖能で比較検討した。37℃0.3%collagenase type II溶液による細胞増殖能がより高かった。37℃0.3%collagenase type II溶液の2時間、3時間、6時間処理を比較し、3時間処理による細胞増殖能が最もよかった。今後、遺伝子レベルでの脱分化について検討する予定である。・薬事承認されているPGAメッシュを足場素材として用いて、ウサギ軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルとともに播種させ、ヌードマウスの皮下に移植し、約2週間で部分的な軟骨形成が確認された。・微小重力環境における3D軟骨培養と静置による3D軟骨培養の比較を行い、微小重力環境にて3D軟骨内のコラーゲンタイプIIが多く形成されることが証明された。また、静水圧を上昇させることによって、組織学的にメタクロマジーの改善が確認された。・3D軟骨培養の培養液にアスコルビン酸添加し、脱分化が促進されることが確認された。・ウサギ気管の前壁を切除し、PGAメッシュによる足場素材のみを移植した。術後25日目に気管狭窄による呼吸不全の為に死亡した。一方、PGAメッシュに軟骨細胞を播種したウサギでは、術後28日目に安楽死させた。移植片内には、線維芽細胞の遊走と軟骨形成を部分的に確認した。