研究課題
基盤研究(B)
声門下腔狭窄症をtarget diseaseとして、組織工学的気管軟骨壁の臨床応用に向けた治療方法を開発することとした。板状の組織工学的気管軟骨壁を軟骨細胞より作成し、気管軟骨壁の欠損モデルに移植することを行った。らに、ヒト気管軟骨から軟骨細胞の分離培養が可能であり、再生軟骨の細胞ソースとなりうることを確認した。生体内で、吸収性足場素材と軟骨細胞による再生軟骨の硬さ(弾性)の経時的変化について検討した。ニュージーランド白色家兎の軟骨細胞をポリグリコール酸メッシュに播種させ、無胸腺マウスの皮下に移植し、移植後6週で家兎気管軟骨とほぼ同等の硬さ(機能)再生軟骨が得られた。機能的軟骨が再生されるまで、気道を確保することの可能なcompositescaffold(コラーゲンシート、ポリグリコール酸メッシュ、L乳酸とカプロラクトンの重合体)を設計した。この足場に分離培養した耳介軟骨細胞を播種させ、家兎の気管前壁4x8mm大の欠損孔に移植した。この足場には、移植後1ヶ月で上皮化がなされ、6ヶ月に一層の再生軟骨が得られることが確認された。また、移植片にb-FGF(basic fibroblastic growth factor)の徐放製剤を用いることで軟骨再生が促進されることを確認した。本研究により、1/3周の気道軟骨の再生が気道上で確認された。この技術は、声門下狭窄症などの、短い気管狭窄に対して有効な治療法となり得るものと考えられる。
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