研究課題/領域番号 |
18390478
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平野 明喜 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (90208835)
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研究分担者 |
古川 睦久 長崎大学, 大学院生産科学研究科, 教授 (20039689)
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90315250)
永山 雄二 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30274632)
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キーワード | トランスフェクション / ヒト骨髄由来間葉系幹細胞 / 骨成熟マーカー / 頭蓋顔面骨 / 成長期顔面骨 / 膜性骨 |
研究概要 |
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(human bone marrow derived mesenchymal stem cell,hMSC)の移植時の動態を調査する目的で、human Green Fluorescent Protein(hGFP) cNDAトランスフェクション後の頭蓋骨欠損部への定着、分化について、骨成熟マーカー、骨発現調節因子を調査した。hGFPトランスフェクション化hMSCは第1継代から第4継代までin vitroで比較検討し、細胞への導入効率、増殖培養にて3時間または6時間遺伝子導入かつ第一継代細胞のみ、培養3日間で、非トランスフェクションとほぼ同等の細胞増殖性を示したため、本細胞を生体内での頭蓋骨欠損モデルでの使用とした。骨成熟マーカーであるオステオカルシンは、骨発現転写因子であるRUNX2発現と共に、移植後1週で主に骨膜面の頭蓋骨内面に発現しており、2週までで発現していた。骨再生部位では移植細胞マーカーであるhGFPの緑色と、マーカーの発現色であるロダミン赤色が共に混合色として免疫染色で確認された。頭蓋骨移植において、術後1週から既に間葉系幹細胞は骨分化しており、DEXA法では術後2週で有意な骨密度の増加を認めた。 以上から、骨間葉系幹細胞は頭蓋骨再生の移植細胞源として有用であり、細胞の分化が直接骨再生につながると考えられた。また、頭蓋骨の胎生発生学上の特徴としては、内軟骨性の骨形成を起こさず、直接皮質骨形成を認めており、頭蓋骨の骨幹細胞の骨形成能の亢進が推察される。また、学童中期の成長期での顔面骨における鼻中隔、上顎前方部の骨切り術での中期的予後は良好であった。来年度に書けて、実験モデルでの長期的観察と間葉系幹細胞移植の顔面骨への効果検討を継続課題としたい。
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