研究課題/領域番号 |
18390478
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平野 明喜 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90208835)
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研究分担者 |
古川 睦久 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (20039689)
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90315250)
永山 雄二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30274632)
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キーワード | 頭蓋顔面 / ヒト間葉系幹細胞 / 組織再生と治癒 / 先天奇形 / 生活習慣病 / 血管・神経再生 |
研究概要 |
頭蓋顔面骨の特徴を追求し、主に間葉系幹細胞を用いた、再生研究を進めた。先天性、外傷後の欠損のみならず、近年増加している、生活習慣病や、代謝疾患、感覚神経異常を伴う疾患に対して、ヒト由来間葉系幹細胞は高い治療効果を認めることが分かった。特に、緑色蛍光タンパク(Green Fluorescent Protein、GFP)遺伝子導入間葉系幹細胞は1継代〜2継代は、非導入細胞とほぼ同等の細胞増殖能、分化能を有することが分かった。これにより、細胞移植後の動態解析が可能となった。また、放射線と頭蓋顔面、頭頚部の治療関連として、放射線照射後の病態理解にケロイド治療例の臨床検討を加え、放射線照射後の生体条件下で間葉系幹細胞を用いた細胞移植治療法の有用性が明らかとなり、更に線維性増殖疾患(FibroProliferative Disease、FPD)の病態にも関連する事が判明した。更に本細胞の特性を生かし緊急ヒバク医療における貢献の可能性が示唆された。凍結保存が可能であり、凍結・解凍後の細胞増殖性・特性はほぼ維持されており、GFP標識細胞でも同様であった。間葉系幹細胞は既にアメリカをはじめとする欧米各国では、緊急災害時の細胞バンクとしての活用も実践されており、この分野での新たな展開が必要と考えられた。GFP標識後間葉系幹細胞の、生体内での動向は、神経切断・血管結紮モデルにおいては、血流改善・神経再生・組織治癒促進となっており、頭蓋骨欠損モデルにおけても、時間・空間における調節が明らかとなった。今後、自己組織由来幹細胞移植について前臨床試験、臨床試験へ発展させていく必要があると思われた。
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