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2006 年度 実績報告書

新規機能性素材の敗血症治療への応用:新規治療概念の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18390481
研究機関鹿児島大学

研究代表者

阿邉山 和浩  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)

研究分担者 丸山 征郎  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
安部 淳一  鹿児島大学, 農学部, 教授 (80128404)
伊東 祐二  鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60223195)
キーワード1,5-AF / 1,5-AG / APP / HMGB1蛋白 / 敗血症・多臓器不全 / 嫌気 / 炎症
研究概要

今年度の研究を通して、(1)我々の見出した新規機能性単糖1,5-D-アンヒドロフルクトース(1,5-AF)及びその誘導体のアスコパイロン-P(APP)は、それぞれ、炎症細胞の炎症性サイトカイン産生(TNF-α、IL-1β、IL-6、IL-8)、Mixed lymphocyte reaction(MLR)のような免疫反応などに対して、抑制的に作用することが明らかになった。しかしながら、1,5-AFの生体内代謝産物(1,5-AFを酵素的に還元して得られる誘導体)である1,5-AGには、このような直接的な抗炎症作用は認められなかった。逆に、(2)代謝系に与える影響としては、1,5-AGは、脂肪細胞からの抗炎症性アディポサイトカインで、インスリン感受性を増大させるアディポネクチンの産生増強作用が認められ、1,5-AF及びAPPには、その作用は認められなかった。(3)敗血症・多臓器不全状態において、破壊された組織・細胞(壊死病巣)から放出され、「個体死のメディエーター」として作用するHMGB1蛋白の動態・機能に対して、今回、新たに、(4)細胞を嫌気刺激することにより、細胞死に先行して、HMGB1蛋白の放出がみられ、この現象は、ほとんど全ての細胞種において観察されることを発見したが、(5)これについても、1,5-AFは、嫌気細胞死を強く抑制すると同時に、その先行現象であるHMGB1蛋白の放出も著明に抑制することが観察された。その際、1,5-AFは、同時に、嫌気に伴う細胞での乳酸産生をも抑制し、糖代謝とHMGB1蛋白の細胞外放出がリンクしていることも明らかとなった。(6)1,5-AFは、HMGB1蛋白と受容体RAGE蛋白の相互作用を抑制することはできなかった。以上より、重症敗血症の治療において、糖代謝下流の回転をスムーズにさせるようなものが治癒率向上のための1つのストラテジーになり得ることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] High-mobility group box 1 protein promotes development of microvascular thrombosis in rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Ito T., Abeyama K., et. al.
    • 雑誌名

      J Thromb Haemost. 5(1)

      ページ: 109-116.

  • [雑誌論文] Hydroxyapatite formed on/in agarose gel induces activation of blood coagulation and platelets aggregation.2006

    • 著者名/発表者名
      Arimura SI., Abeyama K., et. al.
    • 雑誌名

      J Biomed Mater Res B Appl Biomater. 81B(2)

      ページ: 456-461

  • [雑誌論文] 炎症隔離分子としてのトロンボモジュリン2006

    • 著者名/発表者名
      阿辺山 和浩、丸山 征郎
    • 雑誌名

      血管医学(メディカルレビュー社) 7(3)

      ページ: 19-25

  • [産業財産権] アディポネクチン産生増強剤2007

    • 発明者名
      阿邉山 和浩, ら
    • 権利者名
      鹿児島大学・日本澱粉工業
    • 産業財産権番号
      特願2007-30146
    • 出願年月日
      2007-02-09

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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