研究課題/領域番号 |
18390482
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中谷 壽男 関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)
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研究分担者 |
鈴木 義久 財団法人田附興風会医学研究所, 第3研究部, 研究主幹 (30243025)
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (70010080)
岩瀬 正顕 関西医科大学, 医学部, 講師 (30247902)
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キーワード | 移植・再生医 / 再生医学 / 脊髄再生 / 脊髄損傷 / 脳・神経 / 骨髓間質細胞 |
研究概要 |
昨年度に、本方法による再生療法の世界初の症例として骨髄間質細胞を髄液中に投与した愚者の経過を追跡し、画像診断や神経学的な機能、さらにはsomato-sensory evoked potential(SEP)を測定して、経過を追跡している。脊髄のMRI画像では、空洞の縮小を認めている。本患者では、肘関節の屈曲が辛うじて重力に抗して可能であったものが、車椅子を何とか自分で操縦できるまでに回復しており、さらに骨髄細胞を移植した事による脊髄の骨化や腫瘍化などを認めていない。効果・安全性評価委員会では、まだ効果を評価する段階ではないが、第一症例の安全性については、問題なしと判定された。しかしながら、6ケ月以降は神経機能の回復は認めていない。症例数を重ねる必要があるために、本症例の経過を国際的にも報告すべく、複数の国際学会や多くの国内学会に参加して発表するとともに、英文学会誌に投稿し、掲載された。また、対照群として細胞移植の適応外の脊髄損傷患者に対しても、SEPなどの電気生理学的検査をおこなって、経過を追跡している。 第2例目の症例となるはずの患者が搬入され、ASIA分類Cで適応患者と判断して頸椎固定手術を行い、骨盤海綿骨を得て、先端医療センターにて間質細胞を培養し、移植すべく準備をした。ところが、神経学的機能が改善して、当日になって適応範囲から外れ、ASIA分類のDに入ったために適応外として細胞移植を断念し、準備した問質細胞を廃棄した。適応症例が発生しなければ、本研究を進めることが出来ないため、京阪奈和の高次救急施設などに症例の紹介を依頼し、近隣府県からのドクターヘリコプターによる搬送を準備している。
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