研究課題/領域番号 |
18390487
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
網塚 憲生 新潟大学, ・超域研究機構, 教授 (30242431)
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研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院独立研究科, 教授 (60018413)
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キーワード | 解剖学 / 細胞・組織 / 応用動物 / 骨 / PTH |
研究概要 |
平成18年度では、実験(1)「骨細胞ネットワークと骨リモデリングとの関係」、実験(2)「骨細胞ネットワークが除去された場合の骨代謝・骨質の変化」、および実験(3)「副甲状腺ホルモン(PTH)による骨細胞性ネットワークの調節機構」について解析を行い、現在、実験(3)は研究の継続中である。実験(1)については、骨細胞・骨細管系(骨細胞ネットワーク)が、骨リモデリングの進行とともに幾何学的に秩序だった構築を示すことを明らかにしたものであり、骨細胞ネットワークにおける本研究の基盤を構成する。従って、本実験系を順序として最優先し、現在、論文のrevise中である。実験(2)は、骨細胞特異的プロモーターであるDMP-1にDT受容体を組み込み、DT投与することで骨細胞を死滅させたマウス(国立長寿医療センター・池田部長よりご供与)を用いて解析した。その結果、骨細胞が除去された場合には骨ミネラルの流出が見られるが、力学負荷のかかる部位ではその程度が低く、骨芽細胞の活性状態も骨細胞除去に影響されにくいことを明らかにしている(現在、論文作成中)。実験3はPTH投与により、骨細胞性骨溶解(osteocytic osteolysis)を検討したものであるが、骨芽細胞・骨細胞系ばかりでなく破骨細胞の関与が考えられることから、破骨細胞の存在しないc-fos^<-/->マウスを用いて解析を継続している。現在のところ、PTHは破骨細胞または破骨細胞性骨吸収を介することなく、骨芽細胞の増殖ならびに骨基質合成を亢進させること、また、PTH投与により骨細胞の骨小腔(osteocytic lacunae)の拡大を観察している。従って、PTHの作用は単に骨表面上の破骨細胞と骨芽細胞のカプリングだけではなく、骨細胞性ネットワークを介して骨ミネラルの維持や骨芽細胞あるいはカップリング調節を行う可能性が推測される。
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