研究課題/領域番号 |
18390488
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
網塚 憲生 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (30242431)
井上 佳世子 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60303129)
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キーワード | GDNF / GDNF受容体 / NT-4 / 5 / 歯根膜 / ルフィ二神経終末 |
研究概要 |
我々はこれまで歯根膜の機械受容器であるルフィ二神経終末が高進和製神経栄養因子受容体であるTrkBが発現し、そのリガンドであるBDNFならびにNT-4/5がこの機械受容器の発生、成長、再生に深く関与していることを明らかにしてきた(平成16〜17年度科研費による成果)。歯根膜ルフィ二神経終末は咬合開始後、急速に成熟することが知られているが、この成熟過程に関する分子については明らかにされていない。そこで本研究ではGDNF(グリア株由来神経栄養因子)とその受容体であるGFRα1およびRETの発現を検索した。 1.三叉神経節におけるGDNF、GFRα1およびRETの発現 三叉神経節からtotalRNAを抽出し、特異的プライマーを用いてRT-PCR法を行ったところ、GDNF、GFRα1およびRETのバンドが明瞭に観察された。 2.歯根膜に対するGDNF、GFRα1およびRETの免疫染色 免疫染色により、これら3つの分子が歯根膜ルフィ二神経終末に付随する終末シュワン細胞に存在することが明らかにされた。またこれらの局在は非特異的コリンエステラーゼ染色により確認された。一方、軸索終末はGFRα1およびRET免疫陽性を示したがGDNFは免疫陰性であった。 3.三叉神経節におけるGDNF、GFRα1およびRETの免疫染色 三叉神経節では約30%の神経細胞がGFRα1およびRET陽性を示し、画像解析の結果、その陽性細胞の面積は中型の神経細胞であることが明らかになった。しかしながら、GDNFは一部の衛星細胞のみに認められるのみで、神経細胞はGDNF陰性であった。 以上のことより、GDNFはGFRα1およびRETを介して歯根膜ルフィ二神経終末の生存、発育に関与する可能性が示唆された。なお、本研究の遂行には本補助金にて購入したデジタルカメラ付き正立電動顕微鏡、マイクロウェーブ装置ならびに大型ミクロトームが活用された。
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