研究課題/領域番号 |
18390488
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
網塚 憲生 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (30242431)
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303129)
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キーワード | GDNF / GDNF受容体 / 歯根膜 / ルフィ二神経終末 / ガレクチン |
研究概要 |
歯根膜ルフィニ神経終末の発生・再生過程における神経栄養因子の一つであるGDNF(glia cell line-derived neurotrophic factor)の発現変化ならびに動物性レクチンの一つであるgalectinの局在について検討した。 1.生後3日では神経線維が観察されたが、GDNFならびにGDNF受容体であるGFRα1、Retの発現は認められなかった。生後1週では神経線維は樹枝状を示すようになるとともにGFRα1陽性を示したが、GDNF、Retは陰性であった。生後2週になるとGDNF陽性を示す終末シュワン細胞が出現し、一部の軸索がRet陽性となった。終末シュワン細胞はGFRα1陽性となったが、Retは陰性のままであった。ルフィニ神経終末が急激に形成される生後3週ではGDNF陽性終末シュワン細胞の数が増加した。 2.下歯槽神経切断モデルを用いて歯根膜ルフィニ神経終末におけるGNDF発現の変化を検討するにあたり、一次ニューロンが位置する三叉神経節におけるGDNFmRNAの経日的変動をReal-time PCR法にて検討した。その結果、切断後5日までは対照群と同等であったが、術後14日では約1.7倍の発現量となった。しかしながら、三叉神経節をGDNF抗体で染色したが、GDNF陽性ニューロンは出現しなかった。GDNF陽性シュワン細胞は下歯槽神経切断後、2週後から出現するようになったが、その形態は紡錘形であり、成熟組織で見られる円形を呈する終末シュワン細胞は術後3週以降に観察された。これらの時期特異的なGDNFの発現はGDNFがルフィニ神経終末の成熟・維持過程に深く関与していることを示している。 3.神経線維の発生・再生に関与すると考えられているgalectinの発現を歯根膜ルフィニ神経終末で検討したが、その発現は認められず、歯髄に数珠状を示す細い神経線維のみに観察された。
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