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2006 年度 実績報告書

外分泌腺における水チャネル、特にアクアポリン5の発現と機能調節の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 18390493
研究機関徳島大学

研究代表者

細井 和雄  徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)

研究分担者 金森 憲雄  徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90064865)
赤松 徹也  徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294700)
姚 陳娟  徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (20432750)
キーワードアクアポリン / 唾液腺 / カテプシン / 副交感神経 / 塩酸セビメリン / MDCK細胞 / トラフィッキング / GFP-AQP5キメラ分子
研究概要

アクアポリン(AQP)は微生物から動植物まで広く分布するセルペンチン型膜蛋白質、水チャネルである。生体膜を隔てた水移動(水輸送)はAQPにより浸透圧勾配依存的に行われる。哺乳動物ではこれまでに13種のAQPがクローニングされ、構造上の相同性からこれらはファミリーであることが知られている。(1)唾液腺は交感及び副交感神経の二重支配を受けているため、これら自律神経により唾液腺AQP5の発現が調節されている可能性が考えられた。この可能性を明らかにする目的で実験を行った。AQP5の蛋白質レベルは顎下腺を支配する副交感神経の切除により減少し、この減少はM3ムスカリンアゴニストである塩酸セビメリンの投与により回復した。また副交感神経切除はリソゾーム酵素、カテプシンB、D/E、Eの活性を上昇させ、塩酸セビメリンの投与はこの上昇を抑制した。さらにリソゾームの変性剤、クロロキンの投与は副交感神経切除によって減少したAQP5の蛋白質含有量を回復した。以上のことは副交感神経切除/塩酸セビメリン投与によるラット顎下腺AQP5の発現レベルの変動はmRNAの転写レベルによるものではなく、リソゾーム酵素系により制御されている可能性を示すものである。(2)SDラットにおいてAQP5遺伝子の膜貫通領域にポイントミューテーションが存在し、AQP5蛋白質の^<103>Gly>^<103>Aspへの変異が存在する事を見いだした。このラットの唾液腺においては腺房細胞腺腔側膜におけるAQP5の発現が著しく低下し、同時に水分泌機能も低下していた。野生型および変異型のAQP5にGFPを結合させたキメラ分子を極性のあるMDCK細胞に遺伝子導入し、その動態を観察すると、48時間以上の培養で野生型GFP-AQP5は腺腔側へ移動(トラフィッキング)したが変異型GFP-AQP5はトラフィッキングしなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Temporospatially regulated expression of subtilisin-like proproteinconvertase PACE4 (SPC4) during development of the rat submandibular gland2007

    • 著者名/発表者名
      Akamatsu, T. et al.
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics 236(1)

      ページ: 314-320

  • [雑誌論文] Protein kinase A-regulated membrane trafficking of a green fluorescent protein-aquaporin 5 chimera in MDCK cells2006

    • 著者名/発表者名
      Kosugi-Tanaka, C. et al.
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta, Molecular Cell Research 1763(4)

      ページ: 337-344

  • [雑誌論文] AQP and the control of fluid transport in a salivary gland2006

    • 著者名/発表者名
      Murakami, M. et al.
    • 雑誌名

      Journal of Membrane Biology 210(2)

      ページ: 91-103

  • [雑誌論文] A naturally occurring point mutation in the rat aquaporin 5 gene, influencing its protein production by and secretion of water from salivary glands2006

    • 著者名/発表者名
      Murdiastuti, K. et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology 291(6)

      ページ: G1081-G1088

  • [図書] なるほど現代歯塾(徳島大学編)2007

    • 著者名/発表者名
      細井和雄 他
    • 総ページ数
      136
    • 出版者
      医歯薬出版(東京)
  • [図書] 口腔生物学-各論 唾液腺(天野 修, 草間 薫編集)2006

    • 著者名/発表者名
      細井和雄 他
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      学建書院(東京)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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