研究課題
破骨細胞は骨芽細胞やstromal cellからRANKL刺激を受けてmonocyte-macrophage系の前駆細胞から分化してくる。この分化の機序についての研究はRANK-RANKL系の発見以後急速に進歩をしてきており、RANK-RANKL系以外にもTNFαや免疫系のシグナルの関与も明らかになってきた。しかしながら、これまでの研究は主としてシグナル伝達から転写調節因子を中心に行われている。近年、遺伝子発現の調節には転写調節因子以外に、エピジェネティックな染色体の構造変化が重要であることが示唆されていると共に、non-coding RNAであるmiRNAによる翻訳調節も重要であるということが報告なされつつある。これまでにヒトでは数百種のmiRNAが報告されている。本研究では、破骨細胞の分化においてもmiRNAによる翻訳調節が重要な役割を果たしているという仮説のもとに、分化段階の異なる細胞からそれぞれに特異的に発現しているmiRNAを分離同定し、その標的遺伝子の特定を行う。19年度は前年度に共存培養による破骨細胞の分化誘導系を用いて得られた十数種類のmiRNAについて個々に解析を行った。そのうちの数種類について変化が確かめられた。引き続き20年度はマウス骨髄細胞のM-CSF, RANKLによる破骨細胞分化誘導系により、破骨細胞の分化に伴い変化するmiRNAをmiRNAアレイとReal-time RT-PCRにより同定、確認した。
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J Bone Miner Metab 27
ページ: 131-9
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