ヒト歯根膜組織再生医療を開発することを目的として、歯根膜組織の再生機構について明らかにするために、クローン化したヒト歯根膜幹細胞株の樹立を試みた。その結果、間葉系幹細胞が有する表面抗原を発現し、なおかつ歯根膜に特徴的な因子を発現する2種の細胞株、1-11細胞株ならびに1-17細胞株の樹立に成功した。各々分化段階が異なっており、1-11細胞株はinvivoにおいて歯根膜様組織形成能を有しており、1-17細胞株は神経細胞に対してその分化を指示するような働きを有していた。また歯根膜は機械的刺激によってangiotensinを発現し歯根膜の恒常性の維持に関与することが示唆された。さらに再生の足場としてカルシウムの存在が重要であること明らかにした。
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