研究概要 |
1.歯髄細胞におけるgingipainに対する創傷治癒に関するシグナル因子PI3K-Aktの活性に変化はなかった.ストレス反応性細胞死に関するシグナル伝達因子p38 MAPKおよびJNKの活性は優位に増強された.また,NF-kBおよびAP-1の転写因子はgingipain刺激に対して両社とも活性の上昇を認めた. 2.PAR-2に対するSiRNAを形質導入した歯髄細胞をgingipainにて刺激したところ,IL-6およびIL-8の産生は抑制された. 3.急性歯髄炎と診断された歯髄組織からタンパクを抽出し,ウェスタンブロットにて分析したところ,PAR-2抗体に反応するバンドが多数検出された. 4.歯髄細胞をgingipainにて刺激したところ,濃度依存的に細胞死を誘導していることがわかった. 以上から,急性歯髄炎におけるPAR-2の役割は細菌が産生する病原因子であるプロテアーゼを介して,炎症反応および細胞死に関与することが示唆された.
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