研究概要 |
歯髄細胞におけるgingipainに対する創傷治癒に関するシグナル因子PI3K-Aktの活性に変化はなかった.ストレス反応性細胞死に関するシグナル伝達因子p38MAPKおよびJNKの活性は優位に増強された.また, NF-kBおよびAP-1の転写因子はgingipain刺激に対して両社とも活性の上昇を認めた. PAR-2に対するSiRNAを形質導入した歯髄細胞をgingipainにて刺激したところ, IL-6およびIL-8の産生は抑制された. 急性歯髄炎と診断された歯髄組織からタンパクを抽出し, ウェスタンブロットにて分析したところ, PAR-2抗体に反応するバンドが多数検出された. 歯髄細胞をgingipainにて刺激したところ, 濃度依存的に細胞死を誘導していることがわかった. 以上から, 急性歯髄炎におけるPAR-2の役割は細菌が産生する病原因子であるプロテアーゼを介して, 炎症反応および細胞死に関与することが示唆された.
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