研究課題/領域番号 |
18390511
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10206766)
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研究分担者 |
菊地 聖史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50250791)
高橋 正敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50400255)
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キーワード | 静磁場 / 磁石構造体 / 骨組織 / 動物実験 / 骨誘導 |
研究概要 |
昨年度まで行ってきた静磁場による骨形成の促進において、不備のあった標本を再実験するとともに、骨牙細胞を用いた骨形成マーカーの増減を調べ、その現象をさらに明確にすることを遂行した。 再実験の結果、静磁場により骨形成初期の形成速度が促進される現象を確認でき、昨年度の結果を明確にすることができた。細胞実験では、骨牙細胞のSaOS-2(RCB0428, 理研バイオリソースセンター細胞バンク)を用いて静磁場の骨牙細胞に及ぼす影響を調べた。細胞培養液4mlにSaOS-2細胞を浸し、着磁及び無着磁の磁石構造体吸着面にのせて4日及び8日間培養した。標本数は各6個とし、DNA量とALP酵素活性を測定した。各測定データについて、有意水準0.05で分散分析(Scheffes' test)を行った。 SaOS-2のDNAとALP活性値に及ぼす静磁場の効果を調べた結果、4日と8日の両者において静磁場がSaOS-2のDNA量、ALP活性値を増加させることがわかった。これより、静磁場によって細胞の増殖と細胞外基質(ECM)が有意(p<0.05)に増加し、骨牙細胞の活性に寄与することが明らかとなった。 これより、磁石構造体によって付与した静磁場は、骨形成の初期において、骨形成速度の向上に寄与し、その現象は骨牙細胞の増殖と分化の加速に起因することが示唆された。骨様組織が石灰化して皮質骨と同様に変化した後は、静磁場の影響は表れなかったことより、インプラントなどの初期固定に応用可能であるが、長期的な骨増殖を期待する用途には適さないと考えられる。
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