研究課題/領域番号 |
18390519
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
池田 通 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
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研究分担者 |
井奥 洪二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60212726)
米澤 郁穂 順天堂大学, 医学部, 講師 (80327858)
柴田 恭明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80253673)
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253681)
熱田 充 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
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キーワード | 骨代替材料 / 骨代謝 / 骨吸収 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨形態計測 / 細胞培養 / カルシウム |
研究概要 |
体重2.5 kg の日本白色種ウサギ大腿骨遠位端に移植した実験において、我々が開発した微細柱状粒子を有するβ-TCP(柱状粒子β-TCP)が、吸収と新生骨形成がバランスよく起こる優れた材料であることを平成18年度の実験によって明らかにし、その成果を平成19年度に学術雑誌に発表した(Biomaterials、28:2612-2621、2007)。平成19年度には、さらに、我々が開発した微細な柱状粒子を有するハイドロキシアパタイト(柱状粒子 HA)を用いて同様の実験を行い、柱状粒子 HA が生体内で破骨細胞による吸収を受けること及び、通常のハイドロキシアパタイト以上に高い骨伝導能を有することを明らかにし、これらの成果を学術雑誌に投稿した(Biomaterials、in press)。 一方、ウサギを用いた実験ではブロック状のセラミックを骨代替材料として移植したが、独自の法で作成した球状顆粒セラミックを骨代替材料として利用する目的で、柱状粒子β-TCP球状顆粒、非柱状粒子β-TCP球状顆粒、柱状粒子HA球状顆粒及び非柱状粒子HA球状顆粒を生後8週齢の Wistar 系ラットの大腿骨または脛骨に移植した。その結果、いずれの球状顆粒セラミックにおいても非常に高い骨伝導能が確認された。また、柱状粒子β-TCP球状顆粒は、非柱状粒子β-TCP球状顆粒と比較して骨伝導能が高い傾向がみられた。HAを移植したものについては、現在骨形態計測を行いながら解析を進めている。 また、本研究課題の最終目的であるRANKLを担持させた高機能骨代替材料の開発に関しては、培養細胞を用いた予備実験を行い、柱状粒子β-TCP球状穎粒にマウスRANKL蛋白を担持させ、in vitroで多数の破骨細胞を形成させることに成功した。この結果を受け、平成20年度には RANKL を担持させたセラミック球状顆粒をラットに移植する予定であり、現在その準備と研究打合せを行っている。
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