研究分担者 |
柴田 恭明 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80253673)
池田 通 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
鎌田 幸治 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60264256)
吉田 圭一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70230729)
熱田 充 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
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研究概要 |
二酸化チタンは紫外線照射により光触媒活性を持つことが知られている.その作用は抗菌,脱臭,防汚,親水性作等多機能に渡っている.今回我々は光触媒超親水性効果に着目し,その生体材料への応用を試みている. 純チタンを陽極酸化することで,表層に成製される二酸化チタン膜は光触媒活性を持つことが知られている.我々は純チタンが硫酸・リン酸・過酸化水素系混合浴中で陽極酸化すると,試料は紫外線照射後メチレンブルーの有意な脱色ならびに水接触角の減少(50°→10°)を示し,確かに光触媒活性が付与されることを追認した.高分解のTEM解析でも試料表層に非晶質酸化チタンとともに高い光触媒活性を持つことで知られるアナターゼ型酸化チタンが混在してすることが明らかになった.さらに我々は独自に陽極参加後の試料を微量フッ化物にて処理することにより,その光触媒活性が飛躍的に向上し,水接触角は5°という超親水性を示すことを明らかにした. 本試料を用い,多分化能を有する筋芽細胞C2C12の細胞培養試験を行った.その結果光触媒超親水性効果は,30分という極めて早期から細胞の伸展性が促進させ,また細胞接着性ならびに細胞増殖率を有意に向上させる有意義な結果を得た.また陽極酸化を応用した表面改質のみならず,かねてから研究分担者と手がけているイオン光学的手法を用いた手法においても,光触媒超親水性効果を持つ試料の作成にも成功し,細胞培養試験において同様の有意義な結果も得ている.現在2種類の表面改質をチタンインプラントに施し,それらをウサギ脛骨に哩入し終えたところで,次年度組織標本による評価を経時的に行っていく.なお本年度得られた新規の知見は特許出願を終えており,また一部は研究発表を行った.
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