研究課題/領域番号 |
18390520
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253681)
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研究分担者 |
柴田 恭明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80253673)
池田 通 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
鎌田 幸治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60264256)
吉田 圭一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70230729)
熱田 充 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
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キーワード | 光触媒活性 / 生体親和性 / 親水性 / オッセオインテグレーション / 細胞親和性 |
研究概要 |
我々は工業界で環境浄化等に用いられている光触媒、その中で最も活性を示すアナターゼ型酸化チタン(TiO_2)の超親水性機能に着目し、歯科インプラントへの応用を検討した。平成18年度においてはチタンディスク表面にPlasma Source Ion Implantation(PSII)法および熱処理を施してアナターゼ型TiO_2の酸化膜を付与し、その表面性状をレーザー顕微鏡にて観察、計測を行った。さらに被験ディスクを用いた細胞培養に関する研究を行った。以下に平成19年度に着手した研究の成果及び2年間の総括を述べる。 方法:PSII-熱処理を施したインプラント(φ3.75、長さ7.0mm)を用い、骨親和性を検証した。実験動物として家兎(日本白色種、体重約4.0kg)を用い、両側脛骨近位端に対して24時間紫外線照射を行ったインプラントおよび対照群として非照射のインプラントをそれぞれ埋入した。埋入2週後に検体を採取し、通法に従い固定、脱水、レジン包埋後、非脱灰研磨標本(厚さ約40μm)を作製した。得られた標本はトルイジンブルー染色を行い、骨接触率(BIC)の計測ならびに形態観察を行った。 結果:インプラント埋入2週後、対照群においてはインプラント周囲骨の形成量は少なく、BICは低い値であった。一方、紫外線照射したインプラント周囲にはトルイジンブルーに濃染する幼若な類骨組織が多く観察され、インプラント下方への進展が観察された。これに相関するように、BICも埋入後初期段階ですでに高いことが確認された。 本研究の総括:本研究の結果から光触媒超親水性効果は、インプラント埋入直後の細胞反応を亢進させ、ひいては早期のオッセオインテグレーション獲得を可能とすることが示唆された。今回得られた結果は臨床的にも非常に有用であると考えられ、今後臨床応用に向けた研究をさらに進めて行きたい。
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