研究課題/領域番号 |
18390527
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
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研究分担者 |
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40183488)
林 達秀 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70367621)
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (30175591)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 生体材料 / 生物・生体工学 / 再生医療 / 発生・分化 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
本プロジェクトの目的は生体内において、骨欠損部の形状に適合するスキャフォールド形態を手術時に調整し、その形状を保ったまま、BMPとの複合化あるいは宿主由来の細胞との培養、あるいは両者の併用などの処理を行なった後、再移植により生体内に骨欠損形状に適合した新生骨を誘導することにある。本実験の成果としては、レジン-BMP複合体の新生骨誘導に成功、レジンによる骨誘導形状の3D画像化,GSTをマーカー遺伝子とした毒性迅速スクリーニング系の構築が挙げられる。すなわち、新規レジン上にBMP(骨形成因子)を吸着させ、確実に骨を誘導する系を確立した。新規レジンにポリ乳酸を混入し、表面状態の改質を行なうときわめてBMPの吸着安定性に富むことから、今後の展開の重要な指針を得た。この延長上の実験としてデキストリンがポリ乳酸に代替し得ることを証明した。また、新規導入の高速X線CTスキャンにより骨誘導の3次元的かつ経時的な変化を世界で初めて明らかにした。さらに、当初の目的である、薄膜レジンによる新生骨誘導形状の3D画像化にも成功した。そして、当初の目的から派生して得られた大きな成果であるが、GST遺伝子を組み込んだ細胞のルシフェラーゼ活性測定系確立により、移植用レジンの選択のための高速スクリーニングへの道を開いた。一方、宿主由来の細胞を用いた実験系の確立には至らず、このため、器官培養系における宿主再移植系を導入し、研究期間を延長して宿主再移植系の確立を試みたが成功には至らなかった。しかしながら、残留モノマー以外の成分により培養が阻害されることが示唆され、今後の研究にとって重要な情報を得ることができた。本プロジェクトにおいては一部未達成の実験を残したが、今回開発を行なった実験系は3次元スキャフォールドー骨形成因子複合体の開発など、臨床応用に肉薄する部分にまで成果を得たことから、今後実際への臨床応用への研究を継続する予定である。
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