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2006 年度 実績報告書

高齢者に優しい,マルチファンクショナルな義歯裏装材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18390528
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

中村 正明  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50067055)

研究分担者 橋本 典也  大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20228430)
田仲 持郎  岡山大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40171764)
キーワード軟質裏装材 / ビニルエステル / 可塑剤 / 重合 / 内分泌撹乱物質 / アルコール / 義歯裏装材 / 細胞毒性
研究概要

義歯裏装材にとって,アルコールフリーと内分泌撹乱作用が疑われる可塑剤のフリーの両者を満足出来る可塑剤は見出されていなかった.それら両者を解決出来る可塑剤として脂肪族ビニルエステル(AVE)を見出し,AVEとポリメタクリル酸エチル(PEMA)から構成される軟性裏装材(AVE/PEMA軟質裏装材)の可能性に関して検討してきた.
AVE/PEMA軟質裏装材中のAVEのビニルエステル基が重合反応性を有することを利用し,AVE/PEMA軟質裏装材中の可塑剤として働いているAVEを重合させてPoly-AVEとすることにより,軟質裏装材中から物性変化の原因である低分子の可塑剤を消失させてしまう(可塑剤フリー)と共に,AVEの分子構造を工夫することにより,Poly-AVE/PEMA軟質裏装材の機械的性質を任意に制御することを試みた.その結果,裏装材中のAVEの重合が可能であり,AVEがPoly-AVEとなることによって溶出などが懸念される低分子可塑剤が存在しない裏装材が創製出来た.また,AVEとしてビニルエステル基を分子内に一つ持つモノビニルエステルを使用した際には,極めて柔軟な機械的性質を賦与することが出来,ビニルエステル基を分子内に二つ持つジビニルエステルを使用した際には,義歯床に匹敵する機械的性質を持たせることが出来ることを明らかとした.
ヒト組織モデルを用いて三種のAVE/PEMA系樹脂組成物重合体の細胞毒性試験を行った.三種のAVE/PEMA系樹脂組成物重合体は比較としたMMA/PMMAレジンと同様に細胞生存率は無作用群と同等でほぼ100%を示し,細胞毒性は認められなかった.VE/PEMA系樹脂組成物末重合体では,AVEの分子構造に由来してジビニルエステルはモノビニルエステルと比較して毒性が強くなることを報告しているが,重合体とすることによって細胞毒性が無くなることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Surface Treatment with N,N'-Dimethacryloylcystine for Enhanced Bonding of Resin to Dental Alloys2007

    • 著者名/発表者名
      Jiro Tanaka, Jeffery W.Stansbury, Joseph M.Antonucci, Kazuomi Suzuki
    • 雑誌名

      Dental Materials Journal 26 (in press)

  • [雑誌論文] Dimethacrylate Derivatives of Dimer Acid2006

    • 著者名/発表者名
      Marianela Trujillo-Lcmon, Junhao Ge, Hui Lu, Jiro Tanaka, Jeffery W.Stansbury
    • 雑誌名

      Jourmnal of Polymer Science Part A : Ploymaer Chemistry 44

      ページ: 3921-3929

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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