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2006 年度 実績報告書

癌細胞の殺癌細胞遺伝子の操作による抗癌剤のアポトーシス増強に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18390532
研究機関東北大学

研究代表者

越後 成志  東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70005114)

研究分担者 力石 秀美  東北大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (70091767)
キーワードHDAC阻害剤 / NaB / SAHA / アポトーシス / 細胞周期 / G0 / G1期 / ミトコンドリア / 活性酸素
研究概要

頭頚部扁平上皮癌由来の細胞株HSC-3を用い、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤としてsodium butyrate (NaB)、suberoylanilide hydroxamic acid (SAHA)、MS-275を使用し、これらの阻害剤とシスプラチン(CDDP)を併用した時の細胞毒性の変化をMTT法、アポトーシスの変化をTUNEL法にて検討した。さらに、細胞周期、活性酸素およびcaspaseの役割についても検討した。
主な実験の結果をまとめると、
(1)CDDP、HDAC阻害剤併用時のIC_<50>濃度(50%有効阻害濃度)は、CDDP単独時と比較して3〜10倍低下した。HDAC阻害剤単独では細胞毒性はほとんど観察されなかった。
(2)細胞周期で、CDDP単独およびNaBとの併用の両者ともにG0/G1期停止が観察された。
(3)活性酸素はCDDP単独処理時で誘導されたが、併用時にはさらに多くの増加が認められた。
(4)CDDP誘導caspase-3活性が、NaB処理により増強された。
(5)投与順はCDDPとHDAC阻害剤の同時処理およびHDAC阻害剤で後処理した場合に効果が高く、HDAC阻害剤を前処理した場合は、増強効果は認められるものの前者と比較すると弱かった。
以上のことからHDAC阻害剤によるCDDPの抗腫瘍効果の増強は、CDDP処理によりG0/G1期細胞が増加し、HDAC阻害剤がG0/G1期細胞に特異的に作用することが機構の1つであると考えられた。また、活性酸素の増加に伴いミトコンドリア損傷が増加すること、およびcaspase-3活性の上昇などもアポトーシス誘導に深く関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Chemosensitization of oral squamous cell carcinoma cells to cislatin By histone deacetylase inhibitor, suberoylanilide hydroxamic acid2007

    • 著者名/発表者名
      Rikiishi H, Echigo S, et al.
    • 雑誌名

      Int J Oncol 30・5

      ページ: 1181-1188

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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