研究課題/領域番号 |
18390533
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
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研究分担者 |
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 准教授 (20272049)
玉谷 哲也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30274236)
茂木 勝美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335805)
湯浅 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70332822)
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キーワード | アパタイト / 骨再建 / 再生医療 / バイオマテリアル / 骨 / スキャフォールド / カーボネイトアパタイト / 骨置換 |
研究概要 |
1)カーボネイトアパタイトを用いた骨再生用スキャフォールドの作成 骨再生用スキャフォールドとして、連通気孔を有するカーボネイトアパタイト多孔体の作成を試みた。ウレタンの多孔体フォームを水酸化カルシウム溶液に浸漬させ、乾燥させた後に、700〜800℃でウレタンを酸素・炭酸ガス雰囲気下で焼結した。このフォームをNa_2HCO_3中に浸漬することによって、溶解析出反応を利用し、カーボネイトアパタイトの連通気孔体を作成することに成功した。作成したカーボネイトアパタイト連通気孔体の圧縮強さは25k Paまで挙げられることを確認した。 2)カーボネイトアパタイト顆粒による骨再建の動物実験 カーボネイトアパタイト顆粒を用いて、骨置換性カーボネイトアパタイトの骨再建における有用性を検討した。ウサギの大腿骨の実験には炭酸基含量が約15%、直径200〜400μmのカーボネイトアパタイト顆粒を作成し使用した。ウサギの脛骨では24週間の観察を行った。HAP顆粒には変化がなかったが、カーボネイトアパタイト顆粒は経時的に小さくなった。移植後12週では63%まで吸収が進むことが明らかになった。顆粒周囲には同心円状の新生骨の形成がみられ、カーボネイトアパタイトが骨に取り込まれた状態で置換することが明らかとなり、骨再建における有用性が示された。また、イヌでは直径1.0-1.4mのカーボネイトアパタイト顆粒を使用した。イヌの実験では骨置換が遅い傾向にあり、この原因は顆粒の大きさに起因するものと考えられた。 3)骨再生用スキャフォールドを用いた骨再建、骨再生 気孔径が700μmの連通孔を有するカーボネイトアパタイト多孔体を1)の方法で作成し、動物実験を行った。移植後1カ月ではカーボネイトアパタイトの表面に沿って骨が伸長して、新生骨がその表面を覆った。その間、カーボネイトアパタイトは吸収されて、さらに骨との置換が進んでいた。炎症反応も軽微で骨再建、骨再生医療に有用であることが示唆された。
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