研究課題/領域番号 |
18390535
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172)
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研究分担者 |
山下 知巳 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80345793)
土井田 誠 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90313890)
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40397336)
原 明 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10242728)
森 秀樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70021433)
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キーワード | oral cancer / methylation / hypermethylation / carcinogenesis |
研究概要 |
本年度計画では、過去に得られている組織標本・綿棒擦過サンプル(以下、擦過サンプル)を用いてp16,MGMTのメチレーションを検討すると伴に新規の組織標本および擦過サンプルを採取・集積し口腔粘膜病変および各状況に於ける口腔粘膜のDNAメチル化を検証することを基本骨格とし推進した。 ◆臨床サンプルの収集 サンプル採取対象者および対象疾患 口腔がん症例・白板症・口腔扁平苔癬等・口腔乾燥症・粘膜疾患以外の疾患にて研究協力の得られた方(特に喫煙者:各年代・性別)より綿棒の擦過標本および過去に採取した病理診断用標本の一部を用いて口腔病変におけるメチル化異常の頻度を検証した。 その結果、p16、MGMT遺伝子のメチル化異常が、肉眼的及び病理組織学的に健常な部位からも喫煙者・飲酒者において高率に検出された。また、がん病変を有する者では、周囲の健常部からもp16、MGMT遺伝子のメチル化異常が約50%の高頻度で検出され、epigeneticなレベルでは広範囲な病変の拡大(field cancerization)があり得ることが示唆された。(以降の研究期間にて集積を進めることにより有意な結果が得られると考えられた) ◆脱メチル化剤としてのEGCGの効果 既報成績で、緑茶成分であるEGCGが口腔がん発生抑制効果を有することが示されているが、今回、MMP産生を制御(抑制)しているRECK遺伝子にhypermethylationを生じている口腔がん細胞株を用い、EGCGを作用させた所、通常の脱メチル化剤(DAK)と同様の脱メチル化効果が検証され、がん細胞のMMPの産生抑制、浸潤能(コラーゲン3D培養下でのassay)の抑制が観察された。(EGCGは有望な脱メチル化剤の一つと考えられる)
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