今年度はポインティングデバイスの作製、ステレオラベリングカメラのコントロールプログラム開発、ステレオラベリングカメラの空間的配置法と精度検討、および手術シミュレーターからのデータ入出力モジュールの開発を行った。 1.ポインティングデバイスの形状決定を行った。装置は術中に使用する指示棒、頭部および下顎部に装着するトテーサーから成っており、いずれも三角形の頂点に赤外線反射球を配したマーカーを配した。これにより、頭部のトレーサーを基準に下顎骨およびポインティングデバイスの三次元座標がリアルタイムに測定できる方法が考案された。 2.ステレオラベリングカメラに付属するコントロールプログラムを組み込む形で、それぞれのマーカーの空間的位置を計測するための校正プログラムおよび追跡プログラムを開発した。ポインティングデバイス先端の空間的座標は任意の時間にファイル上に記録できるように設計した。 3.トレーサーを平面状に配置し、平面に対するステレオラベリングカメラのなす角度を変化させることにより、空間設定の精度を検討した。さらに、ポインティングデバイスを加えて、指示点の計測精度を検討した。この結果、一定角度内にこれらのデバイスがすべて入った場合、5% 以内の誤差で指示点が計測可能であることが明らかとなった。 4.既存の手術シミュレーターからのデータ構造を解析し、ナビゲーションシステムへ受け渡しできるようなデータ構造に変換するためのプログラムを開発した。
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