今年度は以下の手順で研究を遂行した。 1.モバイル対応の高性能ワークステーションを導入し、手術シミュレーションソフトウェアのシミュレーション結果を本システムにファイルとして取り込んだ。手術シミュレーションシステムのファイル形式をSTL形式に変換し、本ナビゲーションシステムに取り込んだ。手術シミュレーションの高速化のため、Mimics CMFモジュールを新たに導入し、ポインティングデバイスにペンタブレットを導入したところ、1ファイルあたりの処理時間を大幅に短縮でき、臨床使用に耐えられる処理時間となった。 2.に取り込んだファイルと実体のキャリブレーションシステムのアルゴリズムを作成し、このプログラムを作製した。キャリブレーションに要する器具はキャリブレーション用立方体1個で、所要時間は60秒以内であった。 3.実体(ここでは光造形モデルのファントム)の任意の点を設定し、ポインティングデバイスで指示すると、これがワークステーション上に表示され、座標を記録するシステムを作製した。これにより、本システムの空間精度は2%以内であることが示された。 4.本ナビゲーションシステム内で、骨片の移動を実体に付着させたマーカーで追跡し、手術シミュレーションソフトウェアからインポートされたデータ上で再現させるモジュールを開発した。 5.手術室内で検証実験を行うための懸架台の設計を行った。
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