研究課題
今年度は以下の手順で研究を遂行した。1.手術室内で検証実験を行うための懸架台を既製の部品を組み合わせて完成させた。ステレオラベリングカメラを装着した懸架台の強度と安定性を検証し、接触などによって容易に移動あるいは転倒せず、術中に安全に使用できることを確認した。2.手術室に近似した環境を研究室内に構築し、ヒト乾燥頭蓋骨を撮影したCTから作製した光造形モデルをファントムとして、最終的な計測実験を行った。その結果、被検体とカメラの間隔を1500mmにした場合、XおよびY座標の平均誤差は0.5mmであった。またZ軸の平均誤差は1.5mmであった。このことより、適切な手技と測定方法を取れば本システムは臨床使用に耐える精度を有することが確認された。3.今回の計測実験で、カメラのFOVの中央に比べ、周辺領域では平均誤差が非線形に増加することが判明し、何らかの対策が必要であると考えられた。4.3次元CT画像と生体を高い精度で校正する方法を考案し、治具を作製した。(特許あるいは実用新案への申請を計画中のため、詳細は非公表)5.術中に清潔となった術者が単独で操作可能なように、フットスイッチの設置とソフトウェアの改良を行った。6.5.で改良したシステムの操作法を確認し、臨床使用が可能なシステムであることを確認した。被賢者へのマーカー装着は約5分、校正も5分以内に完了可能であった。計測は必要な時に随時可能で、術者の手術操作の妨げにはならないと考えられた。
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山口医学 57
ページ: 43-47