研究概要 |
1.連続気孔性炭酸アパタイトブロックの物性評価 作製した連続気孔性炭酸アパタイトブロックはX線回析装置を用いた解析でアパタイトが生成されていること,さらに赤外分光光度計を用いて炭酸アパタイトであることが確認された.さらに作製段階でいろいろと気孔率を変えSEMとで比較検討したが,気孔率60〜70%ではSEMで連続した気孔と不連続な気孔との混在が観察された.気効率が90%であれば連続した気孔が観察されるが強度的には大変脆く生体材料としては使用が困難であった. 2.小動物を用いた経時的な骨形成の組織学的検討 実験1の結果を踏まえ気孔率70%前後の炭酸アパタイトブロックを実験に用いた.その結果24周まで経時的に組織学的検討を行い,4週目ですでに炭酸アパタイト内に骨形成が認められアパタイト周囲にTRAP染色陽性細胞すなわち破骨細胞が出現していた.そのため炭酸アパタイトの一部が吸収され骨に置換されていたが,24周目までには炭酸アパタイトが完全には骨に置換されていなかった. 3.BMSC含有炭酸アパタイトフォームのin vivoでの骨形成能 ウサギの腸骨から得られたBMSCに骨誘導因子を添加し継代することにより骨芽細胞への分化誘導が確認された.そこで炭酸アパタイトフォームにBMSCを添加した後に生体に埋入し,BMSCの添加の有無による骨形成を評価したが結果的には明らかな相違は見出せなかった.
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