研究課題/領域番号 |
18390544
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山本 哲也 高知大学, 医学部, 教授 (00200824)
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研究分担者 |
笹部 衣里 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (40363288)
植田 栄作 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (10203431)
鎌谷 宇明 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (00315003)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | HIF-1α / 活性酸素 / 口腔扁平上皮癌細胞 / マンガンSOD |
研究概要 |
株化口腔扁平上皮癌細胞にMn-SODに対するsiRNAを導入することにより内在性の活性酸素レベルを上昇させた細胞(SI細胞)およびコントロール細胞(Mock細胞)において、低酸素環境によるHIF-1α誘導の機序について検討し、以下の結果を得た。 1)SI細胞ではHIF-1αとpVHLとの会合、HIF-1αのユビキチン化がMock細胞に比べ抑制されたが、PHD1-3のmRNAおよび蛋白レベルはMock細胞およびSI細胞との間に有意差は認められなかった。 2)HIF-1αの転写、翻訳の亢進に関与するERKおよびAktのリン酸化レベルは、正常、低酸素分圧下いずれにおいてもMock細胞に比べSI細胞で亢進していた。 3)ERKおよびAktシグナルの下流に位置し、HIF-1αの翻訳を制御するp70S6K、eIF-4Eおよび4E-BP1のリン酸化レベルはMock細胞に比べSI細胞で亢進しており、両阻害剤によりそれらのリン酸化は抑制された。 4)HIF-1αのmRNAレベルおよびプロモーター活性はMock細胞では正常、低酸素分圧下いずれにおいても阻害剤の影響をほとんど受けなかったのに対し、SI細胞では特に正常酸素分圧下において両阻害剤によりHIF-1αのmRNAレベルおよびプロモーター活性が低下した。 5)HIF-1αの蛋白レベルは、正常酸素分圧下ではMock細胞およびSI細胞いずれにおいても両阻害剤によりほぼ完全に抑制されたが、低酸素分圧下ではERK阻害剤により強力に抑制されたがAkt阻害剤によってはほとんど抑制されなかった。 以上のことより、活性酸素はHIF-1αの発現を誘導するが、その機序として1)PHD1-3の関与しないHIF-1αとpVHLとの会合、ユビキチン化およびプロテアソーム系による分解の阻害、2)ERKおよびAktシグナルの活性化を介するHIF-1αの転写および翻訳の促進が示唆された。
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