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2006 年度 実績報告書

非侵襲的脳機能画像法を用いた構音障害に関わる脳神経ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18390553
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

小野 卓史  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30221857)

研究分担者 誉田 栄一  徳島大学, 大学院ヘルスパイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
キーワード口唇口蓋裂 / 構音障害 / 代償性構音 / 構音点 / 破裂音 / 脳賦活パタン / 小脳
研究概要

口唇口蓋裂(CLP)患者で観察される代償性構音は、その多くが構音点の異常に起因するものである。例えば口唇破裂音は代償性構音をほとんど示さないが、口蓋破裂音はしばしば咽頭閉鎖音などに代償される。今年度の研究は、CLP患者の構音障害に関する脳神経ネットワークの解明の端緒として、これまで報告がない健常者における構音点の異なる3種類の破裂音発音時の脳賦活パタンを探求した。右利きの成人12名を被験者とした。MRガントリー内で被験者は、視覚提示にしたがって、1.5Hzの頻度で両唇音(/pa/)、歯茎音(/ta/)および軟口蓋音(/ka/)を繰り返した。各破裂音にっき2セッション、データ採得を行った。データ解析にはSPM2を用いた。その結果、すべての破裂音発音時に中心前回の賦活が認められた。さらに、/pa/発音時には、中・下前頭野、島、視床腹側後外側核、淡蒼球の賦活が、/ta/発音時には、上側頭野および淡蒼球の賦活が、/ka/発音時には、視床内背側核の賦活が、それぞれ観察された。3種類の破裂音発音時に共通して賦活する中心前回領域はz=30からz=34の範囲であった。一方、先行研究において言語機能における小脳の関与が指摘されてきているので、3種類の破裂音発音時の小脳の賦活パタンを検討した。その結果、/pa/および/ta/発音時に両側の第6小葉の賦活が認められた。/ka/発音時には右側第6小葉の賦活が認められた。したがって、3種類の破裂音発音時に共通して賦活する小脳領域は右側第6小葉であった。以上の結果から、1)構音点の異なる3種類の破裂音発音時には、それぞれの音を発声する構音器官運動ならびに末梢からの求心性入力に応じた脳領域が賦活し、中枢でのそれぞれの構音表象が存在し、2)同一の構音器官運動および末梢入力の共通性に由来する共通の賦活領域も存在することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Characteristics of movement of the lips, tongue and velum during a bilabial2007

    • 著者名/発表者名
      Inoue MS, et al.
    • 雑誌名

      Angle Orthod. 77(4)

      ページ: 612-618

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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