研究課題/領域番号 |
18390558
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
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研究分担者 |
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (00278178)
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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キーワード | 骨形成 / 骨吸収 / 骨誘導因子 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 大理石骨病 / RANKL / c-Fos |
研究概要 |
骨吸収を司る破骨細胞の分化と機能は、骨芽細胞により厳格に調節されていることが破骨細胞分化因子(RANKL)の発見により明らかとなった。骨組織は、破壊と吸収が繰り返されている動的組織であり、このリモデリングを通して骨組織は一生涯絶えず作り替えられている。本研究においては、破骨細胞分化障害または破骨細胞による骨吸収機能障害により歯の萌出が認められない大理石骨病マウスに対する異所性骨形成を促す為に、骨誘導因子(BMP)を移植することにより、骨形成における破骨細胞の役割解明を目指すものである。平成19年度は、破骨細胞分化の部位を決定する因子を同定することを目標として次の実験結果を得た。 骨髄マクロファージから破骨細胞への分化には、細胞周期の進行とそれに続く細胞周期の停止が必要である。この分化過程において、細胞周期の停止した前駆細胞をcell cycle-arrested quiescent osteoclast precursos(QOP)と定義した。 大理石骨病を呈するRANKL欠損マウスおよびc-Fos欠損マウス(破骨細胞分化に必要な転写因子c-fos遺伝子が欠損したマウス)は、TRAP陽性の破骨細胞が全く存在しない。そこで、これらのマウスの脛骨におけるQOPの局在を、免疫組織染色にて調べた。 (1)RANKL欠損マウスにおいて、骨組織に沿った場所にのみRANKとc-Fmsダブル陽性細胞(QOP)が認められた。このことにより、QOPへの分化と骨組織への局在には、RANKLは必要ないことが示唆された。 (2)c-Fos欠損マウスにはRANKとc-Fmsダブル陽性細胞(QOP)は認められなかった。このことにより、c-fos遺伝子は、破骨細胞前駆細胞からQOPへの分化、もしくはQOPの骨組織の定着に必要である可能性が示唆された。
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