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2008 年度 実績報告書

脳由来神経栄養因子を用いた歯周組織再生療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18390560
研究機関広島大学

研究代表者

栗原 英見  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)

研究分担者 河口 浩之  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10224750)
柴 秀樹  広島大学, 病院, 講師 (60260668)
水野 智仁  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60325181)
藤田 剛  広島大学, 病院, 助教 (80379883)
キーワード歯周外科学 / 脳由来神経栄養因子 / 歯周組織 / 再生医療
研究概要

ヒトセメント芽細胞様細胞(HCEM)を用いたin vitroの実験において、脳由来神経栄養因子(BDNF)による細胞生存メカニズムを調べ、以下の結果を得た。(1)BDNFは血清除去によって誘導されるHCEMsの生存細胞数の減少を阻害し,アポトーシスあるいはネクローシス細胞数の増加を抑制した。(2)BDNFによる細胞死の抑制はtrkB siRNA,PI3-Kinase阻害剤,Akt阻害剤,NF-kB阻害剤,Bcl-2siRNAによって阻害された。一方、ERK1/2阻害剤は影響を与えなかった。またBDNFはAktのリン酸化を促進し,NF-kBを活性化し,アポトーシス抑制因子であるBcl-2mRNA発現を促進した。さらに,(3)BDNFは血清除去によって誘導されるミトコンドリア膜電位の低下を抑制した。Bcl-2siRNAはこのBDNFによるミトコンドリア膜電位の安定化を阻害した。以上から、HCEMsにおいてBDNFによる細胞生存の促進にtrkB-PI3-Kinase-Akt-NF-kBシグナル伝達を介したBcl-2発現促進とミトコンドリア膜の安定化が関与することが示された。また、ビーグル犬を用いたin vivoの実験から、EDTAによる根面処理を併用することによって、炎症モデルにおいても歯根吸収が抑制され、BDNF/高分子ヒアルロン酸複合体によるビーグル犬の歯周組織欠損の再生の確実性が高まり、早期に歯周組織を再生できることが明らかになった。これらの結果から、BDNFは安全性の高い歯周組織再生治療薬になりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Brain-derived neurotrophic factor stimulates bone/cementum related protein gene expression in cementoblasts2008

    • 著者名/発表者名
      Kajiya, et al., 他10名
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 6259-6267

    • 査読あり
  • [学会発表] 脳由来神経栄養因子はtrk B-NF-kB-Bc12シグナルを介してヒトセメント芽細胞の生存を制御する2008

    • 著者名/発表者名
      加治屋幹人, 他10名
    • 学会等名
      第51回秋季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      四日市市
    • 年月日
      2008-10-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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