研究課題/領域番号 |
18390563
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)
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研究分担者 |
中尾 寿美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20102577)
増永 浩 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40229381)
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キーワード | 遺伝子プロモーター / 転写調節 / 石灰化 / 骨芽細胞 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 成長因子 / ホルモン |
研究概要 |
ROS17/2.8骨芽細胞様細胞をFGF2(10ng/ml)で経時的に刺激すると、BSP mRNA量は刺激6時間以降に増加した。Runx2のタンパク発現をウェスタンブロットで検索した結果、FGF2(10ng/ml)刺激3時間で増加した。ルシフェラーゼアッセイの結果、-116および-938塩基対上流までのラットBSP遺伝子プロモーターを含むルシフェラーゼコンストラクトの転写活性は、FGF2(10ng/ml、12時間)刺激で上昇した。2塩基対の変異を導入したミューテーションルシフェラーゼアッセイの結果、FGF2の作用は、転写開始点から約-90塩基対上流に存在するFREおよび-931〜-906塩基対上流に存在するAP1配列と重複したグルココルチコイド応答配列(APl/GRE)の2つの応答配列を介すると考えられた。リン酸化阻害剤を用いたルシフェラーゼアッセイの結果、FGF2刺激後の細胞内情報伝達系は、チロシンおよびSrcチロシンリン酸化とMAPキナーゼ系を介すると考えられた。ROS17/2.8細胞をFGF2(10ng/ml)にて刺激すると、FREとAPl/GREに結合する核内タンパク質は3および6時間後に増加し、FREと核内タンパク質との結合の変化は、チロシンリン酸化阻害剤であるハービマイシンAにより抑制された。抗体を用いたゲルシフトアッセイの結果、APl/GREに結合するタンパク質は、抗c-Fosおよび抗Smad1抗体で結合バンドが高分子領域へ移動(スーパーシフト)し、抗c-Junおよび抗Dlx5抗体で結合バンドが消失した。以上の結果から、FGF2はFREおよびAP1/GRE配列を介してBSPの転写を調節し、AP1/GRE配列には、c-Jun、c-Fos、Dlx5およびSmad1の複合体が結合していると考えられた。
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