研究課題/領域番号 |
18390565
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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研究分担者 |
山賀 孝之 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90345512)
金子 昇 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00397126)
濃野 要 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80422608)
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キーワード | プロテアーゼ / 介入研究 / 無作為化対照試験 |
研究概要 |
本研究は昨年度までにプロテアーゼ含有タブレットの長期使用による舌苔の除去および揮発性硫化物(VSC)濃度の減少効果を確認した。本年度の目的は、要介護者の口腔ケアへのプロテアーゼ製剤の導入に際して安全性、実用性を予備実験において検討し、その結果に基づく舌清掃に関する介入研究での有効性を判定することであった。 本研究は要介護者を対象とするために誤嚥予防などの安全性に配慮する必要があり、かつ対象者の負担を考慮した方法設定が必要である。そのため本試験に先立ち、介護施設においてプロテアーゼの剤形、用量決定試験(前期予備試験)を行った。その結果、剤形は粘度3.3PaSのゲルタイプを採用し、用量は1gとすることが、安全かつ実用的であることがわかった。この設定のもと、本試験実施施設において試験方法の調整のための後期予備試験を行い、試験方法を決定した。前後期予備試験の結果、本試験はプロテアーゼ配合ゲル及びプラセボを用いる交差試験とした。対象者には2名の介護者が1日1回3%プロテアーゼ配合ゲルまたはプラセボゲル1gを舌背に塗布した後、舌ブラシを用いて舌清掃を行った。舌清掃は14日間継続して各日昼食前に行った。効果の評価のために実験開始直前、一日後の舌清掃開始直前、15日後の昼食前にオーラルクロマによるVSC濃度測定とデジタルカメラによる舌の撮影を行った。舌苔量の変化は撮影された写真を3人の歯科医師が舌苔スコアを用いて評価した。 現在、本試験実施中であり、これまでに集計できる対象者数は6名である。その結果は、初日と比較して、併用1日後の舌苔スコアの減少が認められたものは両群とも4名、15日後に舌苔スコアの減少が認められたものはテスト群で5名、コントロール群で4名であった。VSC濃度は1日後および最終日において両群とも変化は認められなかった。なお、本介入試験は20年度に継続されている。
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