研究課題/領域番号 |
18390565
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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研究分担者 |
山賀 孝之 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90345512)
金子 昇 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00397126)
濃野 要 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80422608)
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キーワード | 舌苔細菌 / プロテアーゼ / 介入研究 / 無作為化対照試験 |
研究概要 |
我々は研究初年度に健常者を対象にアクチニジン含有タブレット服用実験を行い、舌苔除去効果および揮発性硫黄化合物(volatile sulphur compounds:VSC)抑制効果について明らかにした。2年次には特別養護老人施設にてアクチニジンゲルを用いた舌清掃による臨床試験を行った。最終年度である本年度は2年次の継続として対象者を増やしその効果を確認した。対象は特別養護老人施設に入所している要介護者26名である。13名ずつの2グループに分け、2重盲検法にて3%アクチニジン含有ゲルとプラセボゲルを用いた、各14日間、計28日間の交差試験とした。なお、洗い流し期間は14日間とした。対象者には実験前1週間舌清掃を禁止した。舌清掃は介護者2名が1日1回ゲルを舌背に塗布したのち舌ブラシにて行った。初日、1日後および最終日の舌清掃前に舌背の写真撮影及びオーラルクロマによるVSC測定を行った。舌苔は3名の歯科医師が画像上で舌苔付着量の評価を行い、その平均値を舌苔スコアとした。群間の比較にはwilcoxon-testを用いた。その結果、舌苔スコアはアクチニジン群にて平均値2.33から1.80に有意(p=0.047)に減少したが、プラセボ群では2.30から2.10に減少したのみであった。VSC濃度ついてはいずれの群も差がなかったが、対象者の身体的制約によりサンプルの採取が十分に行えず、評価が難しかったため参考に留まる。以上より、アクチニジン含有ゲルによる舌苔減少が確認された。この結果は誤嚥性肺炎の予防などに舌清掃が重要になる介護の場において、アクチニジン含有ゲルが舌清掃の効果を高める補助材としての役割を果たすことができることを示唆している。
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