研究課題/領域番号 |
18390566
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤田 雅文 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50021449)
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研究分担者 |
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40252134)
加藤 則廣 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40224521)
藤原 周 朝日大学, 歯学部, 教授 (50229069)
久保 金弥 朝日大学, 歯学部, 講師 (00329492)
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キーワード | 高齢者 / 咬合咀嚼機能 / 高次脳機能 / 脳年齢 / 記憶力 / fMRI |
研究概要 |
"高齢者の咬合咀嚼機能を改善すると高次脳機能が向上する可能性がある"という臨床事実を裏付ける科学的証拠を得るために、まず次の二つの目標を実現した。 (1)咬合咀嚼機能を改善すると高次脳機能が向上することを検査値により指標的に示すために、特に高齢者における高次脳機能の活動度の相違の評価を目標として、視覚・聴覚両記憶力に基づいた精度の高い高次脳機能検査法を独自に開発した。そして、本検査法を同ボランティアに-定期間を置いて再度実施した結果、学習効果を無視できることを確認した。以上から、本検査法は、高次脳機能ネットワークの活動レベル(いわゆる脳年齢)を繰り返し計測できる検査法として、高齢者の高次脳機能の研究領域における幅広い活用が期待できる。 (2)(1)の方法による検査値が高次脳機能ネットワークの活動度を評価するという脳科学的証拠を得るため、MRI装置内のボランティアに視聴覚記憶課題を提示する実験環境を整えて、上記検査実行中のボランティアの脳の活動をfMRI法により解析した。この結果、高得点を取ったボランティアにおいて、前頭前野、扁桃体、海馬、感覚連合野など高次脳機能ネットワークを構成する脳部位の活動が上昇する傾向が確認され、検査値と高次脳の活動度の正の相関が示唆された。 現在、(1)のデータの統計学的充足および(2)のさらなる確証をめざすと共に、(1)(2)を活用して、高齢者における咬合咀嚼機能の良さと高次脳機能検査値の高さおよび高次脳機能ネットワークの活動度の高さとの正の相関の証明をめざして、研究継続中である。
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