研究課題/領域番号 |
18390577
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (30336599)
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研究分担者 |
藤本 悦子 福井県立大学, 看護学部, 教授 (00107947)
小林 宏光 福井県立大学, 看護学部, 准教授 (20225535)
大島 千佳 福井県立大学, 看護学部, 助手 (30405063)
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キーワード | 弾性ストッキング / 血流量 / 深部静脈血栓症 |
研究概要 |
本研究の目的は、深部静脈血栓症を予防する看護ケアの科学的根拠を導くための基礎研究として、温熱法、圧迫法、理学療法等が生体に及ぼす影響(皮膚血流量、深部温、皮膚温など)を明らかにすることである。昨年度は、弾性ストッキング(足首圧迫圧が18mmHgのアンシルク[○!R]・プロJ(アルケア株式会社))を用いてストッキングタイプ着用(以下ストッキング群)、ハイソックスタイプ着用(以下ハイソックス群)、何も着用しない(以下コントロール群)の3条件下で、皮膚表面温度・皮膚深部温度(皮膚表面下2mm〜5mmの組織)・皮膚血流量を測定する実験に着手した。今年度は、さらに症例数を増やして健康な成人女性8名を対象にストッキングの長さの違いによる血流への影響を検討した。結果、コントロール群は血流量に有意な変化は見られなかった。着用60分後の膝部(ストッキングで被覆されている部位)の血流量は、コントロール群と比べてストッキング群もハイソックス群も有意に増加していた。しかし、着用後120分の膝部では、ストッキング群のみ有意に増加していた。大腿部(ストッキングで被覆されていない)では、3群の血流量に差は認められなかった。120分間の血流増加率の変化を見ると、60分を過ぎて低下を示すパターンが被験者の5割にみられた。さらに、ストッキングの着用の有無に関わらず、血流に変化が認められない被験者もみられた。このことから、ハイソックスタイプよりもストッキングタイプの方が効果的であることが示唆された。また、弾性ストッキングを着用することに依存するのではなく、他の予防ケアとの併用が必要であると考えられる。
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