研究課題/領域番号 |
18390578
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
藤本 悦子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00107947)
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研究分担者 |
今本 喜久子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60028389)
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20225535)
今井 美和 (赤祖父 美和) 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40293386)
有田 広美 福井県立大学, 看護学部, 講師 (30336599)
大島 千佳 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30405063)
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キーワード | ホットパック温罨法 / アクチグラフ / サーモグラフィー / 高齢者 / 睡眠 / 深部体温 |
研究概要 |
高齢者に良好な睡眠をもたらす道具として、これまでに独特のホットパックを考案し、その簡便性と安全性を確かめた。20年度は、前年度に決定したプロトコールに従って、実際に不眠を訴える施設入所の高齢者にホットパック温罨法を施行し、その効果を明らかにした。 就寝前の8週間連日、ホットパックによる下肢温罨法を40分間、施設入居中の高齢者15名(87±8.53歳)に実施し、アクチグラフを用いて睡眠-覚醒リズムの変動を測定し、またサーモグラフィーを用いて皮膚表面温度を測定した。さらにベッドサイドでの観察(自発的な被験者からの発言の聴取を含む)、夜間巡回記録の調査を行った。 以下の結果が得られた(The12^th East Asian Forum of Nursing Scholarsにて一部を発表した)。 1.入眠潜時と夜間中途覚醒回数が有意に減少し、睡眠状況の改善が認められた。 2.深部体温の指標である前額部皮膚温度の上昇と、末梢からの熱放散の指標である手背の皮膚温度の上昇が認められた。本ホットパックでは、40分間という長時間の貼用が可能であったために、深部温度の上昇を招いたと思われる。 3.全ての被験者から、ホットパック実施時に「気持ちがよい」「温かい」「ありがたい」「また明日もお願いね」等、ホットパックに対して好意的な言動が聞かれた。 以上から、本ホットパック温罨法は、加齢に伴って振幅が小さくなる深部体温リズムを修正し、入眠を促進したことが考えられる。また、リラクゼーション効果もあり、入眠によい状況を提供したことが考えられる。 このほか20年度は、日内リズムの位相のずれを検討するために、8週間のホットパック温罨法の前後に、唾液を採取した。現在ELIZA法によってメラトニン量を解析中である。
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