研究課題/領域番号 |
18390579
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
西田 直子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80153881)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (80259431)
長谷 斉 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00172883)
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10259434)
松岡 知子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90290220)
鈴木 ひとみ 神戸常盤大学, 保健科学部, 助教 (60462008)
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キーワード | 脊髄損傷患者 / 社会生活支援 / 移動動作 / プログラム開発 / ADL / QOL |
研究概要 |
本研究における社団法人全国脊髄損傷者連合会の近畿・東海ブロック会員730人を対象に質問紙を配布した。地域で生活する脊髄損傷患者の、受傷後の経過年数、障害レベル、受傷原因、入院期間、家族構成、就労の有無、車の運転の有無、ADLとQOLの評価尺度や移動動作について調査した。その結果、回収数は236名であった。性別は男性83.4%、女性16.6%、年齢は平均47.9±22.4歳、受傷後経過年数の平均は18.7年で、障害レベルは頚髄27.1%、胸髄49.2%、腰髄19.9%、受傷原因は交通事故34.7%、転落28.0%、家族構成は家族同居86.9%、独り暮らし9.7%、就労の有無は仕事がある34.3%、無職53.0%であった。また、全国の会員を対象にホームページを活用して調査を実施した(5月〜6月)。回収数は115名で、性別は男性86%、女性14%、年齢は平均52.9±10.6歳、受傷後経過年数の平均は20.3年で、障害レベルは頚髄38.3%、胸髄53.3%、腰髄8.4%、受傷原因や家族構成は郵送調査と同様の傾向であった。ADLとQOLの平均得点の相関では有意な相関がみられた。ADLとQOL得点の高値の項目は、有職者、経済状態良好、体調良好、脊髄損傷レベルの低位、車の運転、患者会などであった。一方、脊髄損傷患者を対象に社会生活における困難点について面接したことを質的に分析し生活上の困難を抱えていた。国内において脊髄損傷患者の社会復帰のためのリハビリテーションを率先して行っている、総合せき損センターを見学し、脊髄損傷患者の退院後の生活、褥瘡を作らないための看護の工夫について施設の取り組みなどを調べた。さらに、退院後社会復帰が比較的スムーズにできた脊髄損傷患者の男性3名を被験者とし、移動式車椅子用トイレを作成し、車椅子からトイレの移動をビデオに撮影し、筋肉の動きも調べ、健康な男性との比較を動作解析等で分析した。筋肉の動きでは積分筋電図と%MVCを求め健常者と比較すると上肢の筋群において高い値であった。動作解析では脊髄損傷患者に重心の軌跡に時間の延長がみられた。
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