研究概要 |
国内外(長崎県,兵庫県,香港,ロサンゼルス)における日本人家族の家族機能のエスノグラフィーとFeetham家族機能調査日本語版I(FFFS)による家族機能の量的研究,家族看護相談の実施,国内外の資料の分析,専門家からの知識提供などにもとづき,家族同心球環境モデルにもとづいた家族機能のアセスメント方法として「エコロジカル家族機能アセスメントモデル」を試作した.その後,長崎県(島嶼)に在住する育児期家族19家族を対象として,このアセスメントモデルを用いて家族機能をアセスメントした.家族の参加観察,エコロジカル家族機能調査(SEFF)による量的な評価も同時に行うことで,アセスメントモデルの信頼性を確認した. これらにより,「エコロジカル家族機能アセスメントモデルI」としてアセスメント項目が確定し,これが使用可能であることが確認できた.このアセスメントモデルは,バウンダリーによって区別される単位として,スープラシステム(4項目),マクロシステム(8項目),ミクロシステム(5項目),家族システム(12項目),クロノシステム(4項目)の5システムがあり,合計33項目で構成されている.家族員への2時間のインタビューを実施形式とし,録音したインタビューの逐語録から5システム33項目の家族機能をアセスメントすることができる.また,エコロジカル家族機能調査(SEFF)による量的な評価も同時に行うことで,エコロジーに即した家族援助構造を見いだすことができる. なお,次年度の大規模調査に向けて,「エコロジカル家族機能アセスメントモデルI」とSEFFの英語版と中文版への翻訳を行った.
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