研究概要 |
これまでのフィールドワークの継続として,長崎県(島嶼)に在住する日本人の育児期家族3家族,香港に在住する中国人の育児期家族4家族を家族看護インタビュー(半構成面接)の対象とし,前年度に作成した「エコロジカル家族機能アセスメントモデルI」を用いて家族機能をアセスメントした.同時に,家族の参加観察,自作の家族機能尺度の日本語版と中文版(FFFS: Feetham Family Functioning Survey, SEFF: The Survey of Ecological Family Functioning)による量的な評価も同時に行うことで,アセスメントモデルの信頼性を確認した.日本人から28のカテゴリー,中国人から11のカテゴリーが抽出された. さらに,国内外の文献検討をふまえて,家族の健康とは「動的な相互作用・交互作用により家族環境に適応する家族の機能状態」と考えるに至り,家族環境の視点から家族機能アセスメントモデルを開発することに決定した.この結果から,新しい家族理論である「家族同心球環境モデル」,家族看護インタビューにより家族をアセスメントするモデルである「家族環境アセスメントモデル」,家族機能レベルを評価する自記式質問紙である「家族環境アセスメント尺度(SFE: The Survey of Family Environment)」を完成させた. なお,次年度の国外での大規模調査に向けて,Web版SEFFをJava言語で開発し,遠隔地からインターネット経由で回答・自動集計できる仕組みを構築した.
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