研究課題/領域番号 |
18390599
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳澤 理子 信州大学, 医学部, 助教授 (30310618)
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研究分担者 |
中村 安秀 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60260486)
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キーワード | 母子健康手帳 / skilled birth attendant / 妊産婦死亡 / 周産期死亡 / カンボジア / 介入研究 / 妊婦登録 / 出生登録 |
研究概要 |
開発途上国で汎用されている妊婦健診カード、児の体重および予防接種記録カードでは、母児の死亡が集中する周産期の情報が把握しにくい。欠落した保健情報を埋める方法として、母子健康手帳カンボジア版を試行することとした。本研究の目的は、(1)文化社会特性に適したカンボジア版母子健康手帳及びその運用システムの開発、および(2)母子健康手帳を用いた妊婦登録システムを導入し、妊婦健診受診回数およびskilled birth attendant(SBA)による分娩介助率に対する効果を測定することである。研究1年目である本年は、次の活動を実施した。 1 文献検討:利用者保持型健康記録、妊産婦および新生児の登録システムとその効果に関する文献を検討した。 2 カンボジアの母子保健関係者に対する計画説明と合意形成:本研究について、カンボジア保健省、研究実施地域保健担当官、研究予定地域のNGOなどに構想を説明し、実施の同意と協力を得た。 3 母子健康手帳カンボジア版の開発:各国の母子健康手帳を取り寄せ、カンボジアに適した母子健康手帳について、デザイン及び内容を検討した。11月には、カンボジア側の開発担当者を母子健康手帳国際シンポジウム(ベトナム)に派遣し、手帳の構成内容と運用方法について理解を深めてもらった。これをもとに母子健康手帳を試作し、保健省母子保健局と内容の検討を行った。 4 研究地域の選定:母子健康手帳を導入する介入地域と、比較対象とする対照地域との選定を行った。候補地を視察し、実施担当者と協議し、人口規模、保健指標、活動実演、スタッフの配置状況等を勘案して、保健センター(HC)管轄地域を選定した。 5 質問紙開発と基礎調査準備:母子健康手帳の効果を検討するため、導入前後で、母親の妊娠・出産・育児の知識とSBA選択、予防接種等の保健行動を比較することとし、そのための質問紙を開発し、調査計画を検討した。
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