研究課題/領域番号 |
18390599
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳澤 理子 信州大学, 医学部, 教授 (30310618)
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研究分担者 |
中村 安秀 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60260486)
征矢野 あや子 信州大学, 医学部, 准教授 (20281256)
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キーワード | 母子健康手帳 / Skilled Birth Attendant / 妊産婦死亡 / 周産期死亡 / カンボジア / 介入研究 / 妊婦登録 / 出生登録 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)文化社会特性に適したカンボジア版母子健康手帳及びその運用システムの開発、および(2)母子健康手帳を用いた妊婦登録システムを導入し、妊婦健診受診回数およびskilled birth attendant(SBA)による分娩介助率に対する効果を測定することである。研究2年目である本年は、次の活動を実施した。 1 母子健康手帳の運用システムの検討:手帳による妊婦登録方法の検討、手帳導入後のフォローアップの方法と評価項目の検討を行った。 2 関係者のトレーニング:平成19年11月〜12月、母子健康手帳導入にあたって、介入地域において医療従事者および村落内ボランティアに対するトレーニングを実施した。介入対象保健センター2ヵ所の看護師・助産師に対して3日間のトレーニングを2回、また村のボランティアおよび伝統産婆(TBA)に対しては1日のトレーニングを1回実施した。講師は、本研究の現地実施担当者、県母子保健局職員、および郡保健局職員が務めた。トレーニングでは、手帳の意義、記入方法、健康教育部分の利用の仕方などを教え、手帳を渡した者を登録するための台帳についても教育した。妊婦健診受診者を登録する台帳は従来から存在したが、これを改良して手帳導入後のモニタリングや評価にも利用できるよう、内容の追加修正を行ったものである。 3 手帳の導入開始:トレーニング後、2008年1月から、介入地域に母子健康手帳を導入した。手帳の評判は良く、ロコミで噂が広がり住民の要望があったため、一部前倒しで12月から導入を開始した地域もあった。 4 導入後のモニタリング:手帳導入後1〜2回、現地担当者がモニタリングを行った。2008年3月には、本研究担当者が日本から訪問し、モニタリングの確認を行った。概ね順調に推移しているが、一層の強化が必要な面もあり、来年度は日本からの訪問支援回数を増加させることが必要である。
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