研究概要 |
本研究はカンボジア版母子健康手帳を開発し,妊婦健診の受診や医療専門家による分娩を促進し,母親の知識を向上させることを通して,母子の健康向上に資することを目的としている。開発したカンボジア版母子健康手帳は,母親および医療従事者から高い評価を得た。妊婦健診受診率,専門家による分娩率は,介入地域の方が対照地域よりも増加しており,また妊娠・出産に関連したリスク,貧血,駆虫,HIV/AIDS等の知識も,介入地域の方が増加率が大きかった。知識に比べ保健行動はその変化が小さい傾向にあり,母子健康手帳を用いた指導による知識の増加が保健行動に表れるには時間が必要であることが示唆された。
|