本研究の目的は、認知症高齢者のケアを行う多職種ケアチームメンバー(学際的専門職と介護者等)が、いつでもどこからでもインターネットを通じて、自らのチームアプローチの内容を継続的に評価できること、つまり認知症高齢者を中心としたケアの質の向上を図ることを目指している。 平成18年度までに開発したシステム施行運用を実施した結果、各専門職間や利用者家族間での専門用語理解や専門知識に関する乖離による評価の困難さ、ケアプランの他職種からの評価の必要性、多職種間での評価の違いを情報共有する仕組みに欠損が確認された。このため、20年度は利用者家族や介護職などの知識レベルの底上げを目的とした教育ツール、ケアプランの多角的評価、多職種間での評価の違いの情報共有など、システムの完成度を高める研究を行った。 内容としては、評価項目にある専門用語や専門知識からリンクを貼り、用語説明に飛ぶ仕組みを開発した。また、ケアプランの適切さを他職種からも評価できるように各職種の評価項目にケアプラン評価も加えた。さらに、他職種間における評価結果一覧表の閲覧を評価プロセスに加え、プログラム工程において、この1ステップを追加しこれまでの4ステップから5ステップへ修正を行った。
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