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2007 年度 実績報告書

EU統合に伴う中央ヨーロッパの都市再生プロセスとエスニック集団

研究課題

研究課題/領域番号 18401002
研究機関東京学芸大学

研究代表者

加賀美 雅弘  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)

研究分担者 小林 浩二  岐阜大学, 教育学部, 教授 (30111793)
中川 聡史  神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (10314460)
川田 力  岡山大学, 教育学部, 准教授 (30263643)
森 明子  国立民族学博物館, 教授 (00202359)
横井 雅子  国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (00383688)
キーワード都市再生 / エスニック集団 / 社会格差 / 都市景観 / 中央ヨーロッパ / 外国人労働者 / コミュニティ / エスニックタウン
研究概要

本研究は,中央ヨーロッパの都市で実施されている景観整備などの再生事業によって.多くのエスニック集団が居住する地区にいかなる変化が生じているかを明らかにし、都市の変容の動向を解明することを目的としている。本年度の作業は,ブダペスト(ハンガリー)を加賀美と横井,ベルリン(ドイツ)を森と中川,ブラティスラヴァ(スロヴァキア)を小林,およびウィーン(オーストリア)を川田がそれぞれ分担して,都市再生事業のプログラムの把握と,エスニック集団(特にイスラム圏出身の移民労働者と,ロマ)の居住の実態を明らかにすることに努めた。また,中央ヨーロッパの都市構造の特徴と,近年の変化,特に観光地化とのかかわりについても考察を広げた。その結果,明らかになったことは以下の4点にまとめることができる。
1)いずれの都市においても歴史的景観の整備が進み,都市の観光地化に寄与している。その一方で,外国人やロマが居住する地区とのコントラストは拡大する一方であり,行政を中心にした市街地再開発や住宅の整備事業が進められつつある。
2)ブダペストやブラティスラヴァなど旧社会主義諸国では,住宅の民有化や土地取得の自由化とともに市街地の整備が進行した。一方,エスニック集団居住地では民有化が進まず,それが公的機関による整備事業を起こすことになり,ブダペストではロマ社会を維持するための方策がとられている。
3)ウィーンでは,町づくりや景観整備への住民レベルでの関心が強いが,外国人の意志や関心については,必ずしも十分に組み上げられていない。
4)ベルリンでは,首都整備事業の中で,区を単位にした町づくりがなされており,トルコ人の居住が集中するクロイツベルク区ではコミュニティを維持するための方策が検討されている。
以上,かつて社会主義体制にあった都市や東西分断されていた都市など,同じ中央ヨーロッパにあって異なる経緯を経た都市を同時に比較ずることによって,共通点と相違点を抽出することができた。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 中央ヨーロッパにおける都市景観の意義-ブダペストの旅行ガイドブックを用いた考察2008

    • 著者名/発表者名
      加賀美 雅弘
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要人文科学系II 59

      ページ: 39-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブルガリアの首都ソフィアの発展と地域的特色2008

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 雑誌名

      岐阜大学教育学部研究報告人文科学 56-2

      ページ: 31-44

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東欧における大都市の変化と特色2008

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 雑誌名

      歴史と地理 613

      ページ: 30-38

  • [雑誌論文] 町のつながりをつくる-ベルリンのスープ・フェスティヴァル2007

    • 著者名/発表者名
      森 明子
    • 雑誌名

      洗濯の科学 52-3

      ページ: 51-55

  • [雑誌論文] けがれ,衛生管理,あるいは癒し2007

    • 著者名/発表者名
      森 明子
    • 雑誌名

      月刊みんぱく 31-11

      ページ: 14

  • [学会発表] ハンガリー・ブダペストのロマ集住地区における都市再生事業-Jozsefvaros区Magdolna街の事例2008

    • 著者名/発表者名
      加賀美 雅弘
    • 学会等名
      日本地理学会2008年春季学術大会 発表要旨集73
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] スロヴァキアの首都,ブラティスラヴァの変化と特色2008

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 学会等名
      日本地理学会2008年春季学術大会 発表要旨集73
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] ウィーン ブルンネン地区における都市再生と住民参加2008

    • 著者名/発表者名
      川田 力
    • 学会等名
      日本地理学会2008年春季学術大会 発表要旨集73
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] 『共同体の物語』とフィクション2007

    • 著者名/発表者名
      森明子
    • 学会等名
      京都大学人文科学研究所共同研究会「虚構と擬制」研究班
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2007-11-19
  • [学会発表] ウィーン市における商業地域構造2007

    • 著者名/発表者名
      川田 力
    • 学会等名
      2007年人文地理学会大会研究発表
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2007-11-18
  • [学会発表] International migration from/to Thailand2007

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, Satoshi
    • 学会等名
      The 17th Biennial General Conference of the AASSREC
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-09-29
  • [学会発表] シングルという視点への試み-農村の「間借り人」の交換関係を考える2007

    • 著者名/発表者名
      森明子
    • 学会等名
      東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所プロジェクト研究会「シングルと社会」
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2007-07-14
  • [学会発表] International marriage migration from rural Thailand to Germany2007

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, Satoshi and Yongvanit, Sekon
    • 学会等名
      The 4th International conference on Population Geographies
    • 発表場所
      香港中文大学
    • 年月日
      2007-07-12
  • [学会発表] ドイツの民俗学と文化人類学2007

    • 著者名/発表者名
      森明子
    • 学会等名
      文化人類学会近畿地区研究懇談会「世界の人類学II」
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2007-07-07
  • [図書] 激動するスロヴァキアと日本-家族・暮らし・人口2008

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 総ページ数
      175
    • 出版者
      二宮書店
  • [図書] 実践 地理教育の課題-魅力ある授業をめざして2007

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      ナカニシヤ書店
  • [図書] EU拡大と新しいヨーロッパ2007

    • 著者名/発表者名
      小林 浩二
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      原書房

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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