研究課題/領域番号 |
18401009
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
福井 捷朗 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (10027584)
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研究分担者 |
星川 圭介 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (20414039)
笹川 秀夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 講師 (10435175)
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キーワード | 伝統的水田灌漑 / 土堤溢流灌漑 / 東南アジア / 東北タイ / 北西カンボジア |
研究概要 |
1.タイタムノッブ関連地方行政文書のデータベース化 文書記事中から分析項目を抜粋し、英語に翻訳し、エクセル表を作成した 2.タムノップ写真撮影 東北タイにおいては9箇所で垂直写真を大型凧につるしたカメラで撮影。 カンボジア北西部では、凧写真一箇所、ヘリコプターによる写真3箇所を撮影。 3.タムノッブ聴き取り調査 東北タイにおいて9箇所で聴き取り調査を行った。 4.タムノッブ測量 東北タイにおいて5箇所で測量を行った。 5.実績の要約 (イ)タムノップ灌漑の本質 タムノップ灌漑とは、「地域灌漑」である。すなわち、石材がないので越流を許さない土堰を用いざるをえないことから、河川流の全量を周辺へ溢流させ、「地域」全体を薄い水膜で覆う。灌漑受益面積は年によって変動し、距離が離れると受益意識も薄くなる。 (ロ)タムノップ灌漑システム できるだけ広い「地域」への均一な水膜の拡大を期するため、主土堤から水路、土堤を築くことがある。 これらを含めてタムノップ灌漑システムを形成する。 (ハ)コンクリート材の普及によるタムノップシステムの変容 主土堤本体にコンクリートで余水吐を設け、制限された「地域灌概」とする。 水路、副次的土堤にコンクリートで水門を設け、流下水量を制限する。 これらの結果、タムノップ灌漑は、通常の井堰灌漑へと変容しつつある。
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