研究課題
本研究は、ケニアにおける開発と伝統文化の関係を、女性の社会進出にターゲットを絞って考えていくものである。まず、ケニアのイスラーム地域を対象として、伝統文化の中のジェンダー格差を当事者である女性たちがどのように排除しようとしているのか、その取捨選択のメカニズムを明らかにすることが、第一の目的である。また、教育の機会を奪われ、民族語しか話すことのできない女性たちが、社会進出を果たすことができるカきどうかについて、農村部における開発プロジェクトの中で、民族語だけを話す女性たちがどのような地位に置かれているのかを調査士、社会開発と言語選択の問題をジェンダーの視線から明らかにすることが、第二の目的である。今年度の戸田の研究は、ケニア共和国北東州ガリッサ県ではエリートに属する10代の女性に、各課題ごとにレポートを提出してもらい、これまで年配のエリート女性にインタビューしてきた内容と比較しながら、分析を行った。現地調査は他の助成金を用いて行ったため、ここに詳細は記さない。また、これまでの研究の蓄積を用いて、2007年10月26日(於:福岡国際会議場)に開催された日本国際政治学会2007年度研究大会ジェンダー分科会における討論者を務めた。宮本は、昨年度実施した聞き取り調査の結果を論文にまとめ、スペインで行われた世界ろう者会議学術大会において発表した。それにより、聴覚障害者に対する偏見と女子教育に対する無理解とで、二重のハンデを背負っているケニアのろうの女性たちが、教育によってどのように社会進出を果たしてきたかを明らかにした。
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The Proceedings of the 15th World Congress of the World Federation of the Deaf.Madrid, Spain. (In print)
ページ: In print
国際政治 149
ページ: 61-76