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2008 年度 実績報告書

北京・天津を中心とした華北の廟会と祭祀組織「香会」の実態研究

研究課題

研究課題/領域番号 18401011
研究機関名古屋大学

研究代表者

櫻井 龍彦  名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (60170643)

キーワード宗教学 / 中国哲学 / 文化人類学 / 民俗学 / 民間信仰 / 廟会 / 道教 / 仏教
研究概要

本研究の目的は北京・天津を中心とする廟会とそれに参加する民間の信仰組織の実態研究にある。そのため現地調査として、まず5月に北京・天津で調査した。北京では平谷区で〓髻山廟会に参加し、観察をおこなった。また平谷区には碧霞元君の廟はもう一カ所峨嵋山にあるので、そこの廟および軒轅廟を調査した。華北に特徴的な動物神を中心とした「四大門」信仰がまだ生きていることを発見できたのも収穫であった。門頭溝区妙峰山の廟会も観察し、聞き取りをおこなった。また海淀区の“韓家川高〓秧歌会"を重点的に調査した。天津では津南区咸水沽鎮北洋村の“海峡北洋正忠高〓老会"を調査し、外国人研究者が天津の廟会組織の研究に来ているというので、地方テレビから取材を受ける。8月には青島に行き、天后宮の調査をした。廟宇と陪祀された神の存在を確認し、天津天后宮と比較した。中国の廟は道教のみならず、仏教や土着の民間宗教などが複雑に融合し、重層的、多重的な神体系をもっている。今年度は祭祀組織の現状調査のほか、信仰形態の調査に力点を置き、碧霞元君や媽祖と習合している観音菩薩、王〓〓との関係を究明した。その成果は報告書に収めた。
中国側の協力者の調査は北京では孫慶忠氏(中国農業大学)が学生を引率し、50日以上の現地調査と数回にわたる報告会を行い、12カ所の組織を個別調査した。天津では協力者の尚潔氏(老城博物館)が研究員を動員して51日間の調査で9カ所の組織を重点的に個別調査した。昨年度は平18, 19年度の成果をまとめ、『妙峰山的記憶与記録』(中国語)を出版した。今年度はこれまでの天津における皇会調査の報告書を『天津皇会与民間祭祀・芸能組織的調査記録』(中国語)としてまとめることができた。総287頁である。口述記録23本、研究論文7本を収録した。本研究も3年目に入り、北京と天津の廟会を結びつける視点が見えてきた。双方にわたる参拝者の信仰圏の視点。道教の娘娘神を仏教の観音と民俗宗教の王〓〓を媒介にして、広く華北の女神信仰のあり方を考察する視点である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 仏教と道教のシンクレティズム-碧霞元君、媽祖、観音の習合について2009

    • 著者名/発表者名
      櫻井龍彦
    • 雑誌名

      天津皇会与民間祭祀・芸能組織的調査記録

      ページ: 258-269

  • [雑誌論文] ?髻山における碧霞元君信仰-廟宇と石碑の現状2008

    • 著者名/発表者名
      櫻井龍彦
    • 雑誌名

      名古屋大学中国語学文学論集 20

      ページ: 29-62

  • [図書] 『天津皇会与民間祭祀・芸能組織的調査記録』(中国語)2009

    • 著者名/発表者名
      楼井龍彦, 尚潔, 王利文編著
    • 総ページ数
      287
    • 出版者
      名古屋大学国際開発研究科

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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