本年度は、調査の最終年度であり、昨年度までに調査をおこなったムカム伝承圏以外の地域のムカム伝承の実態を、映像記録・写真記録・音声記録・楽器調査・聞き取り調査を通じておこなった。 ムカムの伝承圏は、12ムカム・ドランムカム・イリムカム・トルパンムカム・コムルムカムの5伝承圏が確認される。昨年度までに、12ムカム・ドランムカム・トルパンムカムについて調査を実施してきた。かつムカムの伝承において、ギジャックを使用せずヴァイオリンを使用するイリムカムは、独自の様式であるとかんがえ、調査当初から注目してきたので、今年度はイリムカムの調査を1つの柱として実施した。 また、昨年度までの調査によって、同一の伝承圏においても地域的特性がみえてきたので、同一ムカム伝承圏における地域的特性にさらにせまるべく、ハミムカム・ピシャンムカム・トルパンムカムの調査もおこなった。 なお、調査の実施にあたっては、蒲生郷昭(日本大学・芸術学部・講師)に連携協力者、樋口昭(埼玉大学・名誉教授)に研究協力者として参加をあおぎ、さらに新彊ウイグル自治区政府文化局の全面的な協力をえた。 本年度は、調査の最終年度であるので、調査データとそれにもとづく論考を、電子媒体で発表する。
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